2017年3月2日

歯科の基本知識:骨代謝とビタミンD

骨代謝の動態 - 骨のリモデリング(骨吸収と骨形成)



骨吸収


・骨の表面の上皮細胞 lining cell に←副甲状腺ホルモン、プロスタグランジンが作用
・ lining cell に隙間が生じて前破骨細胞が侵入し、破骨細胞になって骨吸収を行う
・骨吸収促進因子:副甲状腺ホルモン、1,25-(OH)2D3 など
・骨吸抑制因子:カルシトニン

・破骨細胞が骨を溶解→骨中のカルシウム、コラーゲンが遊離
・くぼみ=吸収窩
・遊離したカルシウム、コラーゲンの大部分は破骨細胞が処理し、残りを単核細胞(単球)が処理

骨形成(への逆転)

・ 吸収窩に骨芽細胞が集まり骨形成を開始
・ 骨吸形成進因子:1,25-(OH)2D3 など多くの成長因子が知られている
・吸収窩が元通りに埋まると骨芽細胞は骨の表面でふたたび lining cellになる

マウス頭蓋の電顕像

・吸収窩→破骨細胞が骨を溶かす様子
・骨はカルシウムの貯蔵庫でもある
・血液中のカルシウムが不足すると骨を少しずつ溶かし血液に供給する

ビタミンDの生合成

1,25-(OH)2D3 はビタミンDの活性型

ビタミンD3
7-デヒドロコレストール(動物性)→(皮膚にUV)コレカルシフェロール(VD3)→活性型になる。
活性型は2基の-OH。水酸化は1位は腎臓で、25位は肝臓で行われる。

ビタミンD2
エルゴコレステロール(酵母, キノコ類)→(皮膚にUV)エルゴカルシフェロール(VD2)→活性型。

参考資料
香川靖雄 図説医科学 改訂4版 南山堂

ビタミンDの供給源になる食品

魚類:かつお(塩辛)、生のあん肝
肉・乳製品:どれも少ない
きのこ類:乾燥白きくらげ、乾燥きくらげ、干し椎茸
ビタミンDは、きくらげ (乾燥) 4 gで 17.4 μg摂取できる。

参考資料
国立健康・栄養研究所のサイトのビタミンの解説