根尖病巣などの口腔慢性感染症は重篤な疾患の引き金となる:検証の歴史
Weston Price, ウェストン・プライス
・う蝕が原因の心臓病で息子が死亡
・う蝕が全身疾患に関与することを証明(うさぎの実験)し1923年に発表(書籍 “Dental Infection” vol.1 Oral and Systemic, vol.2 Degenerative disease)
・食生活などのライフスタイルと口腔の実態調査を1939年に発表(書籍“Nutrition and Physical Degeneration”)
Charles Mayo, チャールズ・メイヨー
・メイヨークリニック創設者
・口腔慢性感染症が全身疾患の引き金になっていることを多くの論文で発表
この当時、敗血症、心臓疾患などが歯性感染を一次病巣とする重篤な二次感染であることを多くの医師が報告している。
Milton Rosenau ミルトン・ロスノー
・歯冠修復された小臼歯の歯根尖の膿瘍を感染源とする結腸粘膜大腸炎の患者(連鎖球菌)
・動物実験で粘膜大腸炎は歯性感染の二次疾患であることを証明
・他の感染症(腎炎、膀胱炎、胃潰瘍、関節炎、神経系疾患)においても同様の証明
・JAMAやJADAなどに報告
FRANK BILLINGS フランクリン・ビリング
・“Focal Infection” を1917年に発行、ロスノーとともに病巣感染の学問大系を確立
・扁桃、歯根尖の感染病変を摘出すると二次病変が消失することを証明
・心内膜炎
・関節リウマチ患者(70例)の発症要因が扁桃や歯周組織の連鎖球菌の感染
・動物実験で、細菌感染→根管充填→心弁膜の増殖性病変・心筋の退行性変化を認め病理学のジャーナルなどに発表
Martin Fisher マーチン・フィッシャー
・書籍 “Death and Dentistry ”を1904年に出版
・「歯科医師は歯を守ろうというスローガンで口腔感染症の本質を見失って、患者を死に追いやっている」と批判
・「根管充填に伴う隠れた副作用や駆逐されずに生存し続けた細菌が再発し、場合によっては致死的疾患を引き起こすことを十分に認識した歯科医はほとんどいなかった」と記載
・細菌性心内膜炎、慢性虫垂炎、出血性疾患、免疫破綻など
・歯性慢性感染症→細菌性心内膜炎、糸球体腎炎、関節炎、皮膚炎など
・「ほとんどの歯科医師は、歯が感染源となり他の臓器や組織に感染するという病巣感染説を信じており、感染源の抜歯により患者の内科的な問題が解消した経験をしていた」
・「口腔感染症を発端とした全身疾患や若年死」の症例
米国歯内療法学会HPでのコメント
歯内療法の安全性についてのコメントであって、保存された抜髄歯根については触れていないようにも読める
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